「私が退職した理由」で検索すると、
“セクハラ”“不倫”“パワハラ”といった、私とは縁のない言葉が並んでいて、思わず笑ってしまいました。
じゃあ、私が退職した本当の理由はなんだったのか?
あらためて言語化してみたいと思います。


昭和50年代生まれの私にとって「働くお母さん」は珍しかった

昭和50年代前半生まれの私は、幼いころから“お母さん=専業主婦”が当たり前の時代で育ちました。

年少から幼稚園に通う子なんて珍しく、ほとんどが年中からの2年保育。
「女性は家を守るもの」という価値観は、家族だけでなく社会全体にあって、
私自身、自然と「大人になったら結婚して、働くのは短期間だけ」という未来を想像していました。

働くこと自体も好きではなかったし、体力もないし、できれば楽をして生きたい。
そんな性格の私は、“家事手伝い”という響きがキラキラして見えていました。
親に養われながら花嫁修業……あれは、正直ちょっと憧れでした。


就職氷河期、そして思い通りにいかない現実

しかし、英語が好きで2年間留学した手前、やっぱり少しは働かなければ、自分の英語も社会で試してみたい、
との思いに。

そして、社会に出るタイミングは就職氷河期。
英語関係の航空会社も受けましたが、パート採用や月給12万円の契約社員ばかり。
面接ではっきりこう言われたこともあります。

「親の仕送りがないと生活できませんよ」

とにかく、新卒採用をしてくれる会社が少なかった。
働く意欲が強かったわけでもない私は、そこで就活をやめ、
大学卒業してから転職マガジンを見ながら「とりあえず社員として働ける」仕事に就きました。
月給12万円より高かったというだけで、当時の私からしたら十分でした。

いつか結婚すれば辞めればいい。
そんな淡い期待は外れ、気づけば転職を3回し、22歳から48歳まで働き続けることに。
私としては、かなり“想定外”の人生でした。


最後の会社で25年。それでも退職した理由

最後の会社には、育休も入れて25年お世話になりました。
はっきり言えば、楽して稼げる職場 でした。
人間関係も悪くなく、勤務環境も良かった。
43歳で高齢出産した私にとってはこれ以上ない、恵まれた会社だったと思います。

それでも私は退職を選びました。

【私が退職した理由】

  • そもそも働くことが好きではない(これは昔から)
  • 子どもが小学生になり、時短制度が使えず“しんどい働き方”になっていく
  • 時短を使えたとしても、育休復帰後に“責任ある仕事”が全部なくなった
  • 25年同じ仕事で飽きた
  • 出産後のごちゃごちゃした家を整える余裕がほしかった
  • 子どもとの時間を増やして、平日でも習い事に連れていきたかった
  • なにより自分が全然ワクワクしない
  • そして「やりたいことだけに挑戦したい」と思った

いろんな理由があるけれど、ひとことで言えば、
今の働き方がしんどい。このまま同じ日々を続ける未来がつまらなく思えた
ということです。


「働きながら育児するのが当たり前」ではない

世の中には、育児をしながら働き、キャリアも家庭も両立している方がたくさんいます。
それを望んでやっている人がたくさんいること、本当に尊敬しています。
だけど、私はそういうタイプではありませんでした。

怠惰と言われればそうかもしれないし、向いていなかっただけかもしれない。
でも、そういう自分を責める必要はないと今は思っています。


48歳で退職。退職後無職の期間に気づいた“本音”

退職後、私は“無職”になりました。

無職という言葉を聞くと不安に感じるかもしれませんが、
実際にその立場になってみて感じたのは、

「無職=空白」ではなく「準備期間」

だということです。

家を整え、生活習慣を整え、子どもとの時間を取り戻し、
同時に、自分が心から好きだと思えることをもう一度向き合う期間でもありました。


私が“新しいことに挑戦”することにした理由

私が本当に好きなこと。
それはこうやってPCを触ったり、デザインを考えたりすること。
WordPressは難しくて毎日つまずいてるけど(笑)、
48歳からの挑戦としては悪くないのかもしれません。

ここからどうなるかは正直わかりません。
少しでも稼げるのか?
継続できるのか?
不安はたくさんあります。

でも、

48歳は武器。経験も判断力も、私の財産。

そう思えるようになりました。
そしてありがたいことに、貯金もあります(笑)。


退職は終わりじゃない。“リベンジ退職”という選択肢

私にとって退職は「逃げ」ではなく、
一度きりの人生を、自分の手で立て直すための“リベンジ退職” でした。

働き方がしんどいなら、一度立ち止まってもいい。
退職後に無職になることを怖がらなくてもいい。
新しいことに挑戦するタイミングは、何歳からだって選べる。

48歳からでも、むしろ48歳だからこそできる挑戦がある。


最後に

私は48歳で退職という大きな決断をしました。
そして今、無職の期間を“次のステージの準備”として過ごしています。

しんどい働き方に悩んでいる人へ。
退職を考えているけれど一歩踏み出せない人へ。

やりたいことをやって心地よく生きられる道を選んでいい。
退職は人生の終わりではなく、
新しい人生を取り戻すためのはじまりです。

はじめるライフです。